2006年3月25日

ミュンヘンにようやく春が訪れました。道の雪はすべて溶け、すずらんやクロッカスが芝生から顔をのぞかせています。ジョギングをすると、つぐみなどの小鳥が春を告げています。おかげで昨日は大汗をかきました。

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イラク戦争を題材にした、トルコの超反米映画「イラク・狼の谷」を場末の映画館で観ました。ベルリンのクロイツベルクなどトルコ人が多い地区の映画館では、満員になることもあるという作品ですが、徹底的な反アメリカ、反イスラエル映画で、アメリカ兵は全員、第二次世界大戦中のナチス親衛隊員のように描かれています。イラク市民は刑務所で腎臓などを摘出されて、米軍がアメリカやイギリス、イスラエルに臓器を送るという、噴飯物のシーンも。トルコ人の007が悪い米兵を全員やっつけるところが、B級マカロニウエスタンのような作品です。欧米対イスラムの文明の衝突を、反対側から見るとこのように見えるのだなという意味で、一種の反面教師になりました。こういう作品がイスラム世界でうけるところを見ると、「文明の衝突」はかなり根深く、緊張関係は当分続くような気がいたします。